【私、リーダー務めます #05】大和田百合香さん

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リーダー審査員5人目は、前回のJapan Cheese Award 2014でも審査員を務め、青カビタイプ、フレッシュ・バラエティタイプの審査を担当された大和田百合香さんです。


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大和田百合香さん

東京農業大学栄養学科在学中、北海道は別海町へ夏休みを通して酪農実習に行く。研究室では酒酵母の酵素活性が研究テーマ。神楽坂のチーズ専門店「Alpage」立ち上げスタッフとして勤務後、渡仏。四季を通じてフランス、イタリアのチーズ産地へ足を運び、夏のサヴォワでは、1ヶ月トムを作って牛と山羊と暮らす。現在はサロン・ド・テ チーズ王国本店スタッフとして勤務。

シュバリエ・デュ・タスト・フロマージュ(フランスチーズ鑑評騎士)、ワインアドバイザー(日本ソムリエ協会認定)、栄養士。

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Q1. チーズにはまったきっかけは?

信州八ヶ岳裾野で農業を営んでいた祖母宅では戦後山羊を飼っていた、と母から聞いて育ち、「あの場所で私もいつか山羊を飼ってみよう、そしてハイジのようにチーズを作って暮らそう」と、高校生の時ふと思ったことがきっかけです。

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Q2. チーズに関して普段どんな活動をしていますか?

サロン・ド・テ チーズ王国本店に勤務し、毎月のチーズビュッフェではのべ150名分のチーズプラトーを作成しています。チーズ王国主催のイベント運営、フェイスブックページ担当の傍ら、自身の活動「BonBon!Fromage」の名前で国産ナチュラルチーズを楽しむ会や、地域の方向けチーズ会、牛と人をつなぐ活動‘牛展’に国産ナチュラルチーズのお店として参加しました。また、ライフワークとして日本全国のチーズ工房、酪農の現場に足を運んでいます。

 

Q3. 個人的に好きなチーズ、またはチーズ料理をひとつ挙げるとしたら?

選びきれませんが・・・やはり山育ちのチーズです。結婚式の引き出物に夏山作りのボーフォール100g160個、自ら式前日夜にホールからカットして梱包し、クマいっぱいの顔で結婚式当日を迎えました(笑)。

 

Q4. 品質評価セミナーや研修会を通じて学んだことで、特に印象的だったことは?

見えないミクロの世界はやはり面白いと思いました。日本には「八百万の神」がいると考えられていますが、チーズにおける微生物たちは、まさにその八百万の神様。その微生物をコントロールして、イメージするチーズをある程度逆算して作ることが可能な時代であるということも、改めて学びました。

 

Q5. 国産ナチュラルチーズの品質評価において、大切にしていることは?

上から目線にならないこと。自分たちにはチーズは作れないけれども、日々チーズと向き合ってきた経験をもとに、目の前のチーズの今をきちんと見る目を持つこと。そして、そのために経験値を上げ、良い状態のチーズとは何か、チーズがよりよくなるには何が必要か説明できるように精進することです。

 

Q6. 生産者の方にむけて“ラブレターをしたためる”ように、フィードバックシートを書くという大切なミッションを担うリーダー審査員。そこで、あなたの「愛に溢れるエピソード」を何か教えてください。(読み返したい本、聴きたくなる音楽、忘れられない映画、大好きな車、などなど)

フランスに一年強、滞在していた時、土地土地のマルシェに出ているチーズ工房やチーズ屋さんを訪ねてはチーズを買い、頼み込んで製造を見せてもらう、ということを続けていました。 その中で遠い国から来た東洋人の私を、快く工房に入れてくださり様々なことを教えてくださった、ピレネーに近いポーという街のチーズ屋さんのマダムがいました。 そのマダムの紹介で、ピレネーの夏山作りの羊チーズを作る小屋を訪ねていくと、黒いベレー帽をかぶって羊の乳搾りをするムッシューが言いました。

「僕たち羊飼いはいつもこの黒いベレーをかぶっている、どうしてかわかる?羊の毛から作ったこのベレーは温かい。夏でも寒い山の上で、このベレーは雨風や寒さから羊飼いたちの頭を守ってくれる。僕たちは、いつも羊とともにいる、その証なんだよ。」 この話に感動して、チーズ屋さんのマダムに伝えると「百合香、私はあなたがここに来て羊飼いの心を感じてくれたことが本当にうれしい。私たちはあなたを誇りに思うわ」とおっしゃいました。 帰国して早15年経ちますが、いつも心に留めているエピソードです。

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Q7. 本番に向けての意気込みをどうぞ

全国から出品されるチーズを評価するということは、チーズ工房の皆さんの人生に関わるということ。それを忘れずに、チームのみんなで研修を積み「ものさし」を作って臨みたいと思います。 そして、チーズの向こう側にある暮らしや、酪農、土地、自然、家畜たちへの愛と敬意を持って、ラブレターをしたためたいと思っています。

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